怠惰の王子は祖国を捨てる～氷の魔神の凍争記～

ランド王国は、大陸で最も強力な勢力の1つであるフロイセル帝国との戦争を強いられてしまった、小さな国である。非常に愚かな理由で。 帝国の徐々に進行する侵略に直面して、制圧されたランド王国の軍隊は、王都に逃れるしかなかった。 この中で、ランド王国の第6位継承者であるレウトは、不倫の第4王子として後方支援部隊を任され、主力軍の脱出を手伝う任務を与えられた。 レウト率いるのは、彼の指揮下で戦うために自発的に志願した53人の兵士たちだ。しかし、迫り来る敵軍は、圧倒的な技術力を活かした装備に身を包んだ1万人の皇帝軍であり、レウト率いる部隊は勝つ見込みがまったくなかった。そして、それらの男たちを率いる命令は、事実上犠牲として意図されていた。レウトが指揮官に任命されたのは、もっと時間をかせげるという信念に基づいているわけではない。彼が死んでも問題なかったからであり、彼は指揮官のポジションに適切な階級を持っていたからである。なぜなら、彼は不倫であるだけでなく、彼の厚かましく怠惰な性格のために王家のために働く最低限の仕事しかしない無価値な王子として「無能な王子」と呼ばれているからである！ しかし、そうした無能で怠惰な王子でさえ、人間の心を持っていないわけではない。レウトは、彼ら自身の空想的な気まぐれで死の場所に留まることを選んだ部下たちのために行動せざるを得ない。 ──「無能な」レウトは、2つの恐ろしい秘密を持っている。 これは、怠惰を最高のものと考える小さな国の王子が、動乱の時代に求める人生を手に入れるために戦う物語である。後の世代では歴史の「征服者」の1人として数えられる「冷静で怠惰な」レウトの物語である！