黒衣の執行人は全てを刈り取る～謎ジョブ《執行人》は悪人のスキルを無限に徴収できる最強ジョブでした。【剣聖】も【勇者】も【聖者】も、弱者を虐げるなら全て敵です。

今日から、アーデル君は第七王子の地位を剥奪されます！もう二度と私の前に姿を現すな！ 私はこの世界が「理不尽」で溢れていると思いました。 同盟者を捨てた駒のように扱う冒険者パーティーのリーダー。民を圧政に追い込み、ステーキをひたすら食べる悪辣な領主。ギルドに尽くした仲間を「給料泥棒」と一言で解雇するギルドマスター。新しい女性ができたからといって婚約者を軽んじる貴族のぼんぼり。 そして…欲しかった能力が手に入らなかったからといって息子を追放する親父。 主人公、アーデル・ヴァンダーは、この世界からそのような理不尽を根絶したかった。それは、自分自身が授かった能力から逸脱したジョブとして判断され、王室から追放され、第七王子の地位を剥奪された苦い経験をしていたからだ。 王室から追放されてから2年後、アーデルはこの世界に蔓延する理不尽を根絶する「復讐代行所」を運営していた。神が授けたジョブの能力を活かせると考えていた。 「アーデル様、本日のクライアントがお見えになります」 メイア、メイドが、今日も一人の「顧客」がアーデルの復讐代行所を訪れると告げる。 「執行者様！どうか私の怨念を晴らしてください…！」 アーデルがその言葉を受け取り、神から授かったジョブの能力を活性化すると、その手に漆黒のカマが現れる。 《マジックサイズ・イガリマ》――。 アーデルが以前に非難された過ぎると言われた能力。それは、相手の悪行に応じて強さが増し、対象のジョブの能力を刈り取る能力だった。 「処刑係数が7023ポイントか…今回も相当なヤバい奴だ」 アーデルがつぶやき、漆黒のカマを片手に走る。 今日もこの世界に理不尽を生み出した悪人を処刑するために。