真の聖女である私は追放されました。だからこの国はもう終わりです

「あなたは本物の聖人ではない、あなたは偽物に過ぎない—!!!」 私、エリアヌは突然追放された。そのうえ、私の婚約も国の第一王子でかつかつての婚約者であるクロードによって解消された。 クロードはレティシアこそが「本物の聖人」であると主張しているが、私は最初から、彼が私を裏切っている女性であると知っていた。だからこそ、私も彼と婚約を解消することを望んでいた。 しかし、私を追放することが本当に賢明な決定なのだろうか、と私は思う。私、この影から国を支え、障壁を立ててきた実際の「本物の聖人」を追放するのか？ もしかしたら、明日からドラゴンや大悪魔が私の国に侵略してくるかもしれない。だれが知っているだろう— —自分のことではもうないから。 私は自国を捨て、平和な生活を送ることを決意した。 一方で、真の聖人を失った王国は崩壊の道をたどっている。